2019年に押さえておきたいECサイトトレンド7選+重要ワード

2019-02-20 00:00:00 / 最終更新日:2020-02-01 16:55:10

「ECサイトの最新のトレンドを掴まえたい!」


この記事はそんな方のための記事です。AIやIoT、VRにAR、動画にスマートスピーカーなど。2019年も様々な新しい技術が次々と出現しています。今、EC業界にはどのようなトレンドがあるのでしょうか?


この記事では、2019年に押さえておきたいECサイトのトレンドやニュース、重要ワードを紹介しています。企業の売上貢献はもちろん、一人ひとりの顧客の満足度を上げるECサイト作りのヒントがたくさんあります。ぜひ、最新の情報をチェックしてください。

2019年、押さえておきたいECサイトトレンド7選

このセクションでは「これだけは押さえておきたい」という7つのECサイトトレンドをご紹介します。

 AI(人工知能)ソリューション 


ECサイトトレンドの1つ目は「AI(人工知能)ソリューション」です。「AIソリューション」とは、最先端技術の一つであるAIを使って顧客や企業が抱える課題を解決することで、AIは近年問題になっている人手不足を補うだけでなく、人よりも迅速に正確な作業ができる技術として注目されています。


そんな、AIソリューションがECに与える影響が大きいと考えられているのは、大きく下記の3つです。


  1. 製造工程
  2. 需要予測
  3. 顧客対応


製造工程においては、AIの導入によってより高品質でバラツキの少ない商品ができ、人件費も削減できます。また、AIの需要予測により、欠品や過剰在庫、廃棄ロスを防止し売上を最大化するシミュレーションも立てられるように。そして顧客の対応についても、AIによるチャットやオペレーター対応で人件費を削減できます。


AIはただ人手不足を補うものではなく、業務や顧客対応を効率化して企業の生産性を高めることができます。今後、AIソリューションはきっと企業を成長させるために必要不可欠なものになっていくでしょう。

 クロスコマース 


ECサイトトレンドの2つ目は「クロスコマース」です。「クロスコマース」とは、商品を売るために体験と購買を融合させたデジタルプロモーションのこと。これまでは体験と購買が切り離されて考えられていたため、顧客の購買意欲は体験時から時間の経過とともに下がりがちでした。クロスコマースでは、プロモーション動画やファッションショーを見ながら、顧客が買いたいと思った商品をその場で即購入するなどリアルな現場とオンライン購入を融合させた施策になります。顧客に普段のネットショッピングや実店舗の買い物では味わえないワクワクを感じさせるのが狙いです。


競合他社との差別化を図り自社商品のファンをたくさん増やすためには、従来の売り方だけでは他社には勝てないことも。今後、さらに顧客獲得の競争が激しくなり、クロスコマースが企業の売上アップの鍵になりえるかもしれません。


 動画コマース 


ECサイトトレンドの3つ目は「動画コマース」です。「動画コマース」は、その名の通り動画を見ながら商品を購入できるECです。従来、ユーザーはECサイトで商品説明や画像などを見て買い物をしていました。ですが、画像やテキストだけだと商品をイメージするには限界があり、商品が届いた後に「実際に手にすると、想像と少し違うな」と感じる方も少なからずいて、返品などが発生していました。


そこで、ECに動画を導入することで、画像やテキストだけでは伝えきれなかった情報を、わかりやすく顧客に伝えられるようになるというわけです。動画コマースはメルカリやYahoo!ショッピング、AbemaTVなど各種人気ECサイトで既に実施済。商品の特徴を詳しく伝えるだけでなく、視聴者に楽しく買い物をしてもらおうと様々なECサイトが動画作りを始めています。


 ボイスコマース 


ECサイトトレンドの4つ目は「ボイスコマース」です。「Alexa、掃除機を付けて」あなたもAmazonのスマートスピーカー「Alexa」を紹介するCMを一度は目にしたことがあるはず。「ボイスコマース」とは、専用のスマートスピーカーを使って自分の音声だけで買い物ができるサービスです。


既にアメリカでは「Amazon Alexa」や「Googleアシスタント」などの音声認識サービスが利用されています。日本ではまだ知名度が低いボイスコマース。現在はGoogleとAmazonによるシェア争いが過熱していて、さらに新商品が出てくることが予想されます。今後さらにボイスコマースの利用は高まり、私たちの生活をより豊かにしていくでしょう。

インスタコマース 


ECサイトトレンドの5つ目は「インスタコマース」です。Instagramは今、最も勢いのあるSNSの1つ。そのInstagramを通じて商品を購入できるのが「インスタコマース」です。


これまでは、投稿写真を見た後に自分でECサイトを開いて商品名を検索していたので、購入を決めてから買うまでに時間がかかっていました。しかし、インスタコマースでは投稿写真からECサイトの商品ページに直接ジャンプすることができます。


商品を売りたい店側は、専用のビジネスアカウントが必須になりますが、広告宣伝費を抑えながら口コミによるユーザーを効率よく増やすことができます。


今、多くのECサイトがInstagramを視野に入れた戦略を始めているので、勝ち残るために、今後どのような戦略を行っていくべきか、注目する価値がありそうです。


【参考】インスタコマースとは?ECサイト担当者が押さえておくべきトレンドワードを解説

 実店舗 


ECサイトトレンドの6つ目は「実店舗」です。年々、消費者がオンラインストアで買い物をする割合は増えてきています。「店舗はものを手に取って確かめる場所、ネットはお得にものを買う場所」という考えをする人も。また、オンラインストアで欲しい商品の口コミや価格を調べた後、店舗に行かずにそのまま買い物をする人も増えています。


このような店舗離れを解消するために、様々な企業が工夫をしています。例えば「無印良品」はオンラインストアの売上が好調な中、全国に400以上の店舗を展開するほど実店舗の売上も好調です。


成功のポイントの一つは、ネット会員の買い物動向を分析し、店舗限定のクーポンを会員に配信して店舗へ集客させていること。また、オンラインで注文した商品を店舗受取にすると配送料が無料になるサービスには、実店舗への来店を促し顧客にさらに商品を購入させようとする戦略があります。さらに無印良品では、定期的に店舗ごとに様々なワークショップを開催しています。顧客との直接のつながりを大事にしようとする気持ちが、実店舗の経営を成功させているのですね。

 モバイル決済 


最後、7つ目にご紹介するECサイトトレンドは「モバイル決済」です。「モバイル決済」とは、スマートフォンやタブレット端末で代金の支払いをする電子決済サービスです。モバイル決済には4つのタイプがあります。


  1. モバイル端末とカードリーダーを接続するタイプ
  2. モバイル端末を専用の読み取り機械にかざして決済をするタイプ
  3. 専用アプリで決済するタイプ
  4. キャリア決済のタイプ


2019年10月からの増税により、政府はキャッシュレス消費者還元事業からポイント還元制度の導入を発表しました。今後は利用者の拡大を狙って、多くの店舗がモバイル決済を取り入れることが予測されます。モバイル決済と提携したサービスを出す企業が続々と増えてくるでしょう。ECサイト事業者もこの流れを捉え、モバイル決済対応も考えていかねばなりません。


【関連】ECサイト事業者必見!軽減税率について解説(対象商品、注意点、適用タイミングなど)


2019年EC業界で絶対に知っておきたい4つのワード

さて、ここまで、ECサイトのトレンドとニュースを紹介してきました。最後に、2019年EC業界で絶対に知っておきたいワードを4つご紹介します。

 EC化率 


知っておきたいワードの1つ目は「EC化率」です。「EC化率」とは、全商取引総額の中で、ECでの購入が占める割合のこと。特にEC化率の伸びが良い分野が、生活家電やAV、パソコン周辺機器の物販分野と、旅行や飲食、チケットによるサービス分野です。


2019年現在、インターネットでのホテル予約の割合は全体の約29%ほどですが、数年後には40~50%に上がるともいわれています。企業や店舗が生き残るためにはECサイトがより必要になってきているかもしれません。


参照:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました~国内BtoC-EC市場規模が16.5兆円に成長。国内CtoC-EC市場も拡大~|経済産業省


オムニチャネル 


ECで知っておきたいワードの2つ目は「オムニチャネル」です。「オムニチャネル」とは、企業がユーザーと繋がるチャネル(消費者に製品を届ける流通経路)を連携させて、ユーザーにアプローチをする仕組みです。


オムニチャネルのポイントは、ECと店舗など、オンラインとオフラインを含めた様々なチャネルを介してユーザーと接点を持ち、収益化に繋げること。オムニチャネルは売上アップはもちろん、消費者の買い物をより便利にすることを目的にしています。

O2O


ECで知っておきたいワードの3つ目は「O2O」です。「O2O(オーツーオー)」とは、Online to Offlineのことで、オンラインでの情報伝達をもってオフラインでの購買行動に影響を与えることです。ポイントは、購買のタイミングはインターネット上ではなく実店舗であること。あくまでも顧客が買い物をする場所が店舗だということです。


例えば、飲食店がオンラインでクーポンを提供し、店舗への来店を促したり。専用アプリでカフェのメニューを事前にオーダーして店舗で商品を受け渡す仕組みのことをいいます。オンラインを集客・来店促進の手段として使いながら、実店舗の売上を伸ばすことができます。また、LINEやFacebookでキャンペーンやクーポンを配信するなど、SNSの活用も進んできています。

 D2C 


ECで知っておきたいワードの4つ目は「D2C」です。「D2C」とはDirect to Consumerの略。メーカーが商品を仲介業者や店頭を介さずに消費者に提供することです。これにより、企業側はコストを削減できるだけでなく、商品企画・製造に集中できるようになります。ただし、DtoCを検討するためには、魅力のあるECサイトを作り、自社のブランド力を上げ、集客に繋げねばなりません。

まとめ

いかがでしたか? この記事ではECサイトのトレンドを、ニュースや押さえておきたい重要ワードにも触れながらお伝えしてきました。2019年、そして2020年もまた新しいニュースやトレンドなどが次々とやってくるでしょう。引き続き、本メディアではECサイトの最新情報やお役立ち情報を届けて参ります。